山行記録ファイルNo.20


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南八ヶ岳(地蔵〜文三郎尾根コース)その1

●概要

 八ヶ岳は夏沢峠を堺に南北に分けることができ、南八ヶ岳の方は荒々しい高峰が連なり、岩々していてアルペン的な雰囲気を醸し出しています。冬の八ヶ岳はアプローチしやすく冬季営業の山小屋も多いので比較的安心して入山できます。さらにルートも初心者向けからミックスクライミングなどの上級者向けまでバラエティに富んでいるので冬山入門にはもってこい!です。ということで行きませんか?と山の先生モニカさんから誘われて準備したところ、誘った本人が直前になって行けなくなったなどと抜かしやがり、一応去年も冬山バリエーションの経験ありだがまだ初心者の域から脱していない大臣と、冬の岩混じりアイゼン登山はまったく初めての僕との、なんとも不安だらけのパーティーになりました。ルートも予定していたバリエーションルートから初心者向けの地蔵〜文三郎尾根コースへと変更しましたが、恐怖の赤岳山頂ツアー、はたして無事に戻ってこれるか。。。

●データ

●コースタイム

1日目 茅野駅=(路線バス)=美濃戸口13:30−14:05R14:15−美濃戸山荘14:37−15:03R15:10−R15:27−17:05行者小屋

2日目 行者小屋07:30−R08:15−赤岳天望荘09:05−10:00赤岳山頂10:40−11:50行者小屋13:30−美濃戸山荘15:00−16:15八ヶ岳山荘

3日目 八ヶ岳山荘前バス停(美濃戸口)=(路線バス)=茅野駅


●コースレポート

■アプローチ

 青春18切符を使い、東京から朝一の鈍行列車で中央本線をいざ出発。二人ともとても不安だったので途中の車内ではロープワークの練習をしてました。一応何かあっても困らないようにと、45mザイルを持ってきたはいいんですが、使いこなせないとタダのお荷物になってしまうので、、、せっせとセルフビレイの練習。でもやっぱり片手でインクノットが未だにできないです。。そんなことをしていたら甲府を過ぎた辺りで、隣のボックス席に座っているセーラー服の人がモゾモゾと怪しい動きをしています。な、なんと、スカートの中でパンテーを履き替えてます!?おいおい、しかも手鏡で自分のスカートの中を覗いてチェックしてます!いや〜最近の女子高生はすごいね〜と大臣にこそっと呟いたら、、、「あの人、オトコだよ」という返事が返ってきて更にびっくり!そういえば金髪ロンゲでセーラー服着てても肩幅ガッチリでした!?その人はしばらくして途中で降りましたが、その後大爆笑したのは言うまでもありません。茅野駅についてからは路線バスに乗り換えて終点の美濃戸口で下車。ここはぼちぼち路肩に雪が積もっている状態でした。バス停前の八ヶ岳山荘にいたゴールデンレトリバーがすごく人なつっこくてかわいかったです。

■極寒のテント泊

 ここからは美濃戸山荘まで長〜い林道歩きでしたが、ところどころ凍っていて気を付けないとツルッといっちゃいそうでした。途中自動車から追い越されながらもなんとかゲートまで到着。ゲートから行者小屋までの道は沢沿いの登山道になってますが、まだアイゼンはいらないかな〜と思い付けなかったのがプチ失敗。こけないように神経を使いました。素直に付けた方が良かったと反省してます。美濃戸中山を横切った辺りで疲労が一気に押し寄せてきました。その日は朝からまともな食事をとってなくてシャリバテしてたんだろか?と、またまた反省です。クタクタになりながらザックにぶら下がってる温度計を見ると、いつの間にかマイナス15℃まで下がってました。寒すぎです!どんどん薄暗くなりはじめ、ようやくテン場についたのが17時でもう真っ暗でした。

 行者小屋は完全に閉鎖されてましたが、トイレは使えました。ちなみに洋式のトイレでした。最後の気力を絞って月明かりの中テント設営して、とりあえずシュラフに潜り込みました。日が落ちてからはものすごく寒くてダルくて何もやる気がしない状態で、「あ〜このまま疲労凍死するのかな、どうでもいいや〜」の気分になってしまいました。一人だったらこのまま寝て死んでたかも。そんな中、大臣がメシを作り始め、アツアツの豚汁を完成させておいしくいただきました。おかげで生気を取り戻しました。大臣ありがとう!ついでにモニカさんの餞別である焼酎「神の河(かんのこ)」をクイクイ〜ッと。この焼酎はおいしくてまじおすすめです。いつもは深酒する僕ですが、さすがにこの夜は疲労に耐えられなくてすぐさま就寝。寝袋は「イスカモンテローザDL」で-12℃対応だったのですが、テントの中では結露が凍って雪が降り、寒くてまったく寝れないありさま。ペットボトルの水も見る見る凍る。。。外を覗くと星が綺麗に見えますがおかげで放射冷却になってかなり寒い〜。温度計を見るのもいやになるくらいで、マイナス20℃くらいになってたと思います。耐寒訓練でもして慣れればもっと平気なんだろうけど、-12℃までのシュラフでも死なないということが経験できてよかったです(^^;)それからテントも広々で寒かったです。やっぱ冬はギュウギュウ詰めの方が暖かいかも。とりあえず冬山のテント泊山行は気力が重要だと思い知らされました。

大人しくておりこうな犬。めんごいな〜

いざ出発!ここから長い林道歩きでした。。。

美濃戸山荘前。行者小屋へは沢沿いの登山道を進む

■快晴の二日目(赤岳登頂)

 ほとんど寝れないまま翌朝を迎えました。今日はテントをそのままにして、地蔵尾根を登り赤岳を登頂後、文三郎尾根を下って元に戻るコース。日が昇りきらないうちに準備をしましたが、寒くてだるくて身体がなかなか動かない、、、天気がめっちゃ良かったのでなんとか登る気になった感じです。キシキシとアイゼンを鳴らしながら出発。しばらく歩き始めると身体が暖まり体調も良くなりました。地蔵尾根は鎖場も所々にありましたが、特に厳しいところも無く、ハードなラッセルも必要ない状況で、ぐんぐん高度を上げてまずは赤岳の肩に建つ赤岳天望荘に到着。ここも冬季閉鎖されてました。すごく天気が良くって真冬でも太陽が当たっているところは暖かいっす。それからテルモスに入れてきた暖かいお湯は身体も暖まるし、精神的に安心します。ここから気合いを入れて一時間弱登ったところで、ついに赤岳山頂に無事到着!

二日目。朝日を浴びた荒々しい阿弥陀岳

徐々に急斜面になってきます

阿弥陀岳とナイフリッジの中岳がきれい(拡大

寒さでカチカチの鎖場。滑ったら死にます。

閉鎖中の赤岳天望荘から赤岳ピーク

2899mの赤岳山頂。やった〜

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